【タイ】チェンマイを気ままに旅してみた ~市内編~

チェンマイはタイ北部に位置するタイ第2の都市。年間を通じて過ごしやすい気候で、人もあたたかく、どれも美味しく、どこか懐かしい雰囲気に包まれている。今回はそんなチェンマイでやってみたかったこと、行ってみたかったスポットを新旧併せてご紹介。

早朝の最強パワースポットで、托鉢する僧に出会う

チェンマイで有名な寺院のひとつであるワット・プラタート・ドーイステープへの参拝道路の入り口には、チェンマイの行政府も西洋の技師たちも難しいと考えた道路建設を約半年で成し遂げた高僧「クルーバー・シーウィチャイ師」の記念像が祭られている。(写真右奥)チェンマイでクルーバー・シーウィチャイ師を知らない人はおらず、ここをお参りすると願い事が叶うと信じられており、また毎朝托鉢する僧へ功徳を積むために訪れる人たちが後を絶たない。

黄衣姿の僧たちは炊事をすることはなく早朝に寺の周辺を回って托鉢し、そこで捧げられた食物を1日に2回に分けて食べる。本来は僧のために用意された料理を捧げるのだが、保存が効いたり恵まれない人たちに分け与えるため、ご飯やジュースをはじめビニールに入った野菜や日用品などがセットになった托鉢用の食物を売る店が道端に設営されている。

ローカルに紛れて、絶品ご当地グルメを食べ尽くす

ここ「カオソーイ・サムー・ジャイ」はタクシン前首相も何度か訪れたこともある店で、ターペー門から北東へ約3km離れた場所にあるので徒歩で気軽に訪れることは出来ないが、タクシーやソンテウで向かう価値のあるカオソーイの有名店。

他の専門店では見慣れない太めの平打ち麺はむっちりとした歯ごたえで、食欲をそそる刺激的なスパイスの香りとマイルドなココナッツミルクのバランスが絶妙!好みでレモンを絞ったり漬物を入れると一気にあっさりとした風味に変わり、味変も楽しめる。

ここ「カイガタレートロット」はベトナムからタイに伝わったタイ風目玉焼きのカイガタが人気の店。タイではウドーンターニー県あたりの名物ともされるが、ここチェンマイにも知る人ぞ知る名店がここである。場所は旧市街の中に位置し、チェンマイ門から徒歩約2分とアクセスも良好。

小さなアルミのフライパンで焼かれた目玉焼きの上に、タイソーセージ(クンチヤンとムーヨー)をはじめひき肉、カリカリに揚げられたシャロット、パクチーがトッピングされていて、カイガタとソーセージパンとコーヒーのセットが一番人気。

ここ「ジョーク・チェンマイ門」は米をトロトロになるまで煮込んだお粥のジョーク専門店。粘りが強く冷めても美味しい、また他の専門店と比べ量も多いことから地元の人たちから人気を集める。場所は旧市街の中に位置しチェンマイ門から徒歩約1分、先に紹介した「カイガタレートロット」の手前にあり、併せて訪れることも可能。

底に溜まっている出汁を全体にかき混ぜ、更に半熟卵の黄身も絡ませながら頂くと、マイルドでコクのある味わいに仕上がり美味しさが倍増。好みで醤油や胡椒を加えるとより味が引き締まるのでお勧め。

ここ「ウワンオーチャー」はローカル感がかなり濃い、茹で鳥と揚げ鶏の両方のカオマンガイが味わえる人気店。旧市街の南東に位置し、ナイトバザールから徒歩約15分。営業時間は6:00~15:00だが、鶏がなくなり次第閉店になることも多々あるので早めに訪れる方が好ましい。

茹で鳥と揚げ鶏のミックスも可能だが、個人的には蒸し鶏がお勧め。鶏肉が大きくカットされていてとてもジューシーで、秘伝の自家製タレとの相性は抜群!普通盛りだと少し物足りず、このタレだけでもご飯が進むので大盛りでのオーダーで間違いなし。

ここ「3バーツヌードル」はその店名が表すとおり、最近は屋台でも1杯30バーツをキープするのが困難な中、衝撃の1杯3バーツでヌードルを提供する店。時間帯に関係なく行列の絶えない人気店で、場所は先に紹介したカオソーイの人気店「カオソーイ・サムー・ジャイ」のほど近く。

わんこそばのような小ぶりの椀に盛られており、スープや麺(クイッティオと呼ばれる米粉麺)が異なる6杯が1セットとなっているため、少しずつ色々なパターンを楽しめるので満足度も高い。具材は豚と牛の2種類あるので、全12パターンでコンプリートとなる。これだけ食べても36バーツ(約138円)とコスパはチェンマイどころかタイで一番と言っても過言でないほど。

瞑想の森に佇む洞窟寺院で、心をリセットする

ランナー王朝の初代メンラーイ王がチェンマイに都をつくった際にスリランカから招いた僧侶たちが瞑想修行ができるよう、1297年に創建された由緒ある寺院「ワット・ウモーン」。ちなみにウモーンはタイ語でトンネルを意味する。トンネルは入り口が計4箇所あり、正面に3箇所、背面に1箇所となっている。うっそうと生い茂る木々に囲まれ歴史深いこの寺院には、街のそれとは違った神秘的な雰囲気が漂よっている。

幻想的な雰囲気が漂い何かしら不思議なパワーを感じながらトンネルを進むと仏像が静かに安置されており、神秘的な場所なだけに神々しさがより増しているように思える。一番奥の洞窟では当時描かれた鳥や花などの壁画の様子も伺え、トンネル入り口右手には頭部や胴体だけの仏像が安置されているエリアがあり、またトンネル入り口左手の階段を上がるとミャンマー様式の見ごたえのある仏塔も。

チェンマイ大学のキャンパス内で、カフェをする

周りに芝生や畑が広がり解放感に包まれた「Blue Coffee At Agriculture CMU」は2021年にオープンした、チェンマイ大学の敷地内にあるカフェ・コワーキングスペースのひとつ。気分転換に陽の光を浴びたりして心地よく作業ができそうな環境下、さすがはノマドの聖地チェンマイだけのことはある。先に紹介した「ワット・ウモーン」から徒歩約20分なので、散策後の小休止としての利用も◎

椅子や机は全て木製でまるで図書館のような印象を受け、ガラス面が広く開放感もある店内。1ドリンクをオーダーすれば特に時間制限はなく、もちろんWi-Fiも完備しているので落ち着いて作業ができること間違いなし。またチェンマイ大学の学生に限らずビジネスマンや外国人も分け隔てなく利用できるのも嬉しい。コーヒーはチェンマイでそれぞれ異なるコンセプトで複数の店舗展開を行っているBaristroによる味わい深いものが提供されているので、雰囲気や環境だけでなく味もお墨付き。

旧市街内で、アートなひとときを過ごす

ここ「カーム・ビレッジ・チェンマイ」は2021年5月にオープンしたアートやクラフト、カルチャーを愛し、昔ながらの知恵や技術を次世代の人へ受け継ぐ人たちのコミュニティの場。タイの伝統美とモダンなデザインが見事に融合した設計がなされている。

ゲートをくぐると中庭を囲むように建物が建ち、ギャラリーや伝統的なアパレルや雑貨が並ぶライフスタイルストアなどがある。屋上のテラスからはチェンマイのシンボルマークのワット・チェディ・ルアンも見渡すことができ、スローで落ち着く雰囲気に包まれる空間となっている。

敷地内にあるカフェの2階はハイセンス且つノマドワーカーからも人気を集めるライブラリーになっている。カーム・ビレッジ・チェンマイを訪れた人たちは、思い思いに上質なひとときを過ごすことができる。

チェンマイの秘技、トークセンを受ける

旧市街地のシンボルでもあるターペー門から東へ徒歩約5分のところに位置するワット・マハーワンの敷地内に「Ayokaya Massage」があり、ここではレベルの高いタイマッサージのほか、タイ北部に古くから伝わる伝統療法のトークセンなる施術を受けることができる。ちなみにトークは叩く、センは生命エネルギーが流れる通り道やツボを意味する。

リムと呼ばれる杭を患部に当て、コーンと呼ばれる木槌でトントン叩いていく。その音は「カンカン」と高い音色で、その独特な響きとリズムによる音は広い施術室に響き渡り、決して耳障りに感じることはなく、むしろ心地良い音色で癒されていく。

トークセンは木槌の振動により筋肉や腱の張りを緩ませる効果があり、通常のマッサージではなかなか改善が見られない関節の痛みにも効果があると言われている。施術後には不思議と体中がポカポカになり、間違いなく血液の巡りが良くなっていることが感じられる。

夕暮れ時のピン川の流れに悠久の時を感じながら、グラスを傾ける

伝統的なランナー様式の要素が随所に散りばめられ、ピン川沿いに佇み静寂に包まれたラグジュアリーな一軒宿のアナンタラ・チェンマイ・リゾート内に、チェンマイ初のルーフトップカクテルバーの「バブルス」がある。

17:30から19:30までのハッピーアワーでは夕日を眺めながらシャンパンをはじめ独創的なカクテルがお得に楽しめ、眼下にピン川を眺めながらカクテルグラスを傾ければ、チェンマイで過ごすひとときがより一層思い出深いものとなる。

夜のニュースポットを、のんびり歩く

チェンマイで最も重要な水路のひとつ「メーカー運河」は生活用水などにより汚れていたが、排水管理システムを設置したり川沿いに花々を植えるなど水質と景観の改善に努め、地元の人だけでなくここを訪れた人々が利用しやすい運河にすることを目指し2022年に整備された。

日本の小樽運河をイメージして整備されたようで、両岸の約750mに亘る遊歩道には日本語が掲げられたお店や映画のワンシーンに出て来そうな景観が続く。一日の終わりに気ままにぶらりと歩けば、楽しかったチェンマイのひとときを思い起こすことだろう。

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